GPUプロファイリングにRenderDoc Meta Forkを使用する
RenderDocは、さまざまなグラフィックAPIと開発プラットフォームをサポートするグラフィックデバッグツールです。開発時のフレームキャプチャと分析に使用されます。RenderDocは、実行中のアプリのエンジンがMeta Questハードウェアでシーンの1フレームのレンダリングをどのように決定したかを示すものです。この情報は、最適化の機会と潜在的なパフォーマンス問題の原因を見つけるのにしばしば役立ちます。
Metaは、RenderDocの独自のフォークを管理するようになりました。このフォークは、Meta QuestのSnapdragon 835、Meta Quest 2のSnapdragon XR2、およびMeta Quest ProのSnapdragon XR2+チップからの低レベルGPUプロファイリングデータ、具体的にはタイルレンダラーからの情報へのアクセスを提供します。
RenderDoc Meta Forkをインストールする際は、
ダウンロードページからWindowsおよびMac用のインストーラーを入手できます。
UNINSTALL PREVIOUS VERSION
RenderDoc for Oculusのバージョンを使用している開発者は、RenderDoc Meta Forkをインストールする前に手動でアンインストールする必要があります。RenderDoc Meta Forkは、接続されたMeta Quest上のアプリの単一フレームに対して、タイルレベルのレンダリングステージトレースを実行できます。トレースが正常に完了すると、その結果が新しいタイルタイムラインビューに表示されます。このビューは、[Window (ウィンドウ)] > [Tile Timeline (タイルタイムライン)]で表示できます。このタイムラインには、フレームで順次レンダリングされる各サーフェスと、特定のサーフェス上の各タイルのレンダリングステージが、正確な時間情報付きで表示されます。
RenderDoc Meta Forkはドローコールトレースも実行できます。このトレースで、キャプチャ内の個々のドローコールに関連する最大45個の低レベル指標を収集します。開始するには、
[Window (ウィンドウ)] >
[Performance Counter View (パフォーマンスカウンタービューアー)]に移動します。それらの指標の一覧については、「
ドローコールの指標」をご覧ください。
RenderDoc Meta ForkでVulkan拡張機能の
KHR_pipeline_executable_properties
を使うと、Meta Questのシェーダー統計にアクセスできます。シェーダー統計の取得と解釈については、
Vulkanのシェーダー統計へのアクセスを参照してください。
RenderDoc Meta Forkで、キャプチャを読み込むときにVulkanアプリに問題がないか検証することができます。
RenderDoc Meta Forkは、Vulkanシェーダー統計とAPI検証の場合を除き、OpenGLアプリとVulkanアプリの両方をサポートします。このツールを使用するアプリは開発ビルドでなければならないことに注意してください。
レンダリングステージトレースやドローコールトレースを実行し、Vulkanシェーダー統計を取得するには、キャプチャが必要です。ドキュメントの他のセクションを読む前に、
トレースの取得と読み込みをお読みください。
RenderDoc Meta Forkを使用してアプリの分析を開始する前に、RenderDoc Meta Forkを使用したアプリのフレームキャプチャが必要です。また、パフォーマンスやグラフィックの問題があることに気づいて調査したいアプリの領域のフレームキャプチャも必要です。このガイドの他のセクションに進む前に、まず
トレースの取得と読み込みをお読みください。
タイルタイムラインは、レンダリングステージトレースの結果を表示する新しいUIエレメントです。Meta Quest GPUのタイル化されたアーキテクチャにより、サーフェスのレンダリングは複数のビンに分割され、段階的に実行されます。開発者は、タイルタイムラインビューを使用して、サーフェスのレンダリングモードや実行されたビンの数などの非表示の状態を識別できます。
パフォーマンスカウンタービューアーは、ドローコールトレースの結果を表示する新しいUIエレメントです。ユーザーが選択した、各ドローコールに関連する指標を表示します。利用可能な指標については、「
ドローコールの指標」をご覧ください。
Vulkanのシェーダー統計にアクセスするには、キャプチャを読み込んで、個々のドローコールを選択します。シェーダーの統計を取得するには、
[Pipeline State (パイプライン状態)]パネルから有効な値を選択し、
[View (表示)]をクリックします。詳細については、
Vulkanのシェーダー統計へのアクセスを参照してください。
[Pipeline State (パイプライン状態)]パネルは、メニューの
[Window (ウィンドウ]から開くことができます。
Vulkanの検証エラーはアプリのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。RenderDoc Meta ForkでVulkanのキャプチャを開くと、これらのエラーが列挙されます。キャプチャを開くときのリプレイでAPI検証を有効にして、エラーがないか確認します。詳細については、
キャプチャの取得と読み込みを参照してください。
RenderDoc Meta Forkの使用方法について詳しくは、以下のトピックをご覧ください。
RenderDoc Meta Forkを使用してアプリを最適化する方法については、次のガイドを参照してください。